コラム

夢の中に現れた姓名判断

夢の中に現れた姓名判断

これは、すべてのはじまりの物語。
すこし風変わりな男の話。
小さくて、病気がちで、気弱な男の物語です。

 

舞台は昭和20年代、北関東の田舎町。
豊かな自然に囲まれた静かな村の、子だくさんの農家に
健司という男の子がいました。

 

健司は5人兄弟の末っ子。他の兄弟はやんちゃな子が多かったが、
健司は大人しく体も弱い子供でした。
冬が近づくと誰よりも先に風邪をひき、
夏になると誰よりも先に日射病にかかってしまうのです。

 

健司は少し変わっていました。
学校でも他のみんなと同じことができなかったり、
みんなとは全く違う考えを持っていたり、
大勢で何かをする時にはその輪に入らず、ひとりで隅っこにいて、
みんなとは違う他のことを黙々とやっているような子供でした。

 

健司は変わり者じゃ。
健司は、なんだかいつもぼんやりしてる。

 

大人も周りの子もそう言って、
珍しい小動物を見るような目つきで健司を見るのです。

 

けれど、健司には不思議な力がありました。
いや、その時にはまだ、
これこそが自分に宿っている特別な力だと、
健司は気づきもしていませんでした。

 

普通の人には見えない何かが見える、というような事が、
健司にはたびたびあったのです。

 

例えば、犬が大きな声で鳴いていたら、
普通はただ「うっせなぁー」と思うことが、
健司にはなぜか犬の気持ちがわかったりするのです。

 

「お父さん、ポチが、犬小屋が狭いから建て直してほしいって言ってる」

 

そんなことをしょっちゅう言うので、すっかり慣れっこになっている家の人達は、また健司劇場が始まった、と半分あきれていたぐらいでした。きっと、子供らしい想像力から来るかわいい虚言だろう。みんなそんなふうに思って、別に気にも留めなかったのです。

 

あの出来事が起こるまでは。

 

健司の見えないチカラが発動

それは、健司が中学に上がった頃のことです。
同じ集落に住む農家のおばあさん(ヨネ子)が
大病をして、病の床に着いていました。
意識もほとんどなく、ずっと眠り続けている状態。
家族の人たちは、もう高齢だし、
もしもこの病気で亡くなってしまってもヨネ子は大往生だよ、などと言って、
半ば諦めていました。

 

けれど、それを聞いた健司がこんなことを言うのです。

 

「ヨネ子ばあさんは今眠っていて、弱っているように見えるけど、
ちょっとばかり生きるのに疲れて、ひと休みしているだけなんだ。
試しに、おばあさんに青い花を持って行ってあげて。
どんなに小さい花でもいい。道端に咲いている花でもいいから。
そしたらヨネ子ばあさんは目を覚ますから!!」

 

健司の母親は最初、また健司劇場だよと思い、
笑って相手にしなかったが、
いつにも増して健司が何度も何度も訴えるので、
ヨネ子ばあさんの家族にはそのことを告げず、
あくまでもお見舞いだということにして、
健司が言う通り、青い小さな花を摘んでヨネ子ばあさんの家を訪れました。

 

案内され、ヨネ子ばあさんの枕元にその小さな花束を置きます。
ヨネ子ばあさんの家族はそれを見て、ヨネ子ばあさんの手を握って口々に言いました。

 

「おばあちゃん、健ちゃんのお母さんがお花を持ってきてくれたよ。
とっても綺麗なお花だよ。おばあちゃんに見て欲しいな。
おばあちゃん元気になって。私たちみんな待ってるよ」

 

すると、ヨネ子ばあさんはゆっくりとその目を開けたかと思うと、
周りのみんなをぐるりと見渡して、優しい微笑みを浮かべるではありませんか。
あまりの驚きで口もきけないみんなを尻目に、
ヨネ子ばあさんは静かに言ったのです。

 

「綺麗なお花を持ってきてくれてありがとう。
これでまだまだ私は元気に生きていけるよ」

 

健司のお母さんは、信じられない気持ちで家に戻り、
たった今起こった奇跡を健司に伝えました。
そして、健司に言ったのです。
「健司、今までごめんよ。私達は、お前の特別な力を今まで信じていなかった。
これからは、お前はお前らしく自由に生きればいい。
お前ならきっと、多くの人を救うことができるはずだよ」

 

一体これがどういう能力なのかはわからないけれど、
とにかく健司には普通の人にない能力があるようだ。
両親はそう確信したのでした。

 

健司の体に異変が・・・

それから時は流れ、健司は大人になり、
25歳を過ぎた頃から健司の見えないチカラは
日に日にレベルアップしていきました。
通りすがりの人の寿命が見えたり、
オーラの色が見えたり、
生年月日を聞いただけでその人の未来が見え
たりするようになったのです。

 

余計な未来も見えてしまうことから、
最初はそんな自分の見えないチカラに戸惑ったり
傷つくこともありました。
そんなある日、友人の次郎の危険な未来が見えてしまいました。
なんと、次郎がひき逃げ事件に遭うという未来が・・・

 

次郎は大切な友人。
次郎に「〇月△△日、〇丁目付近に行くと交通事故に巻き込まれるから、その日は〇丁目に行かないように」
と告げました。すると、忘れた頃に次郎から
「いや~健司のお陰で助かったよ!〇月△△日、〇丁目でひき逃げ事件があったよ!!行かないで良かった!!」
と聞きました。

 

またある時には、知り合いのカップルに対して
「その女にはキツネがついている別れた方が良い」
と言いました。
最初は激高した男性に罵詈雑言を浴びせられましたが、
後々男性より
「健司君の言っていたこと合ってた、金から家財からなにもかも持ち逃げされたよ」
という出来事もありました。

 

そこで健司は、この見えないチカラをもっと
世の為人の為に役に立てようと決心するのですが、
なぜか、日に日に体調がおかしくなっていきます。
もともと体の弱い健司ではあったが、
色々な要望に応えていく度に体に異変を感じるようになります。
ある時「この人の生年月日を見て!あと、この人とこの人も!!」と言われ、
なぜか途中から血の気が引くのが分かり、吐き気を催し倒れてしまいました。
気が付くと健司は病院のベットの上にいました。

 

最初は、何日か寝ればよくなるだろうと思っていたが、
何人もの医師に診察してもらい、何度も何度も、あらゆる検査をしました。
それでも原因がわからず、眩暈がしたり体重も落ちどんどんやせ細っていく。
これは、何か大きな、重大なことが俺の中で起きている。ヤバいな・・・
そう悟った健司は、見えないチカラを自分に使う事を決心します。
そうだ、自分の未来を見てみよう・・・

 

そして、そこで見たものが健司を戦慄させました。
なんと、健司の寿命の灯が消えかかっていたのです。

 

命の炎は、なんとか点いているものの、今にも消えてしまいそう。
健司は生まれて初めて、死の恐怖を感じました。

 

健司は、地元の神社へ行き、神に祈りました。
生まれて初めて、心から神様に祈ったのです。

 

「僕にはまだまだやり残したことがあります。
僕が持っている能力で人々を助けたい。
それなのに、僕はまだほんの少ししか果たせていない。
神様、どうか僕を生きさせてください」

 

健司は、その後毎日毎日神様に祈りました。
幾日も幾日も、祈り続けました。

 

健司不思議な夢を見る

すると、健司は不思議な夢を見るようになったのです。
名前、姓名、公式。
最初は、こんなふうに途切れ途切れのキーワードが、
夢の中に繰り返し浮かぶだけでした。

 

はじめのうち、健司はその夢のことを特に深くは考えませんでした。
けれど、何度も何度も同じ夢を見るのです。

 

さすがに奇妙に思った健司は、
神に尋ねてみました。

 

「神様、名前とは、姓名とは、公式とは、一体なんのことでしょうか。
あのおかしな夢は、あなたが僕に見せているのですか。
それとも、悪魔の仕業なのですか。
もしもあの夢があなたから僕へのメッセージなのだとしたら、
どうか今晩、お告げをください」

 

その明け方、健司に起こったことを、
神からの啓示と呼ばずになんと呼べば良いのか。

 

神ははっきりと、夢の中で健司にお告げを与えたのです。
姓名判断の公式を。
そして、神は健司にこう告げました。

 

「健司よ。この公式を使い人に姓名を授けよ。
それを通して、お前は多くの人々を救うことができるだろう。
この公式を学び、正しく使い、偉大な姓名判断士として生きるのだ」

 

健司は、まるで雷に打たれたように立ち上がり、
神のお告げを実行しました。
その公式を使い、まずは自分自身を改名すると、
不思議なことに健司の体調はみるみる回復していきました。
改名によって、消えかかっていた健司の命の火はまた強く燃え始めたのです。

 

それからの健司は、まさに水を得た魚のようでした。
この時得た啓示により学んだ、
画数と音数、生年月日の3つを融合した革新的な姓名判断術で、
多くの人を幸せな人生へと導き、救っていくことになったのです。
この時健司は「これで3000人の命が救える」そう確信しました。

 

運命とは何でしょう。
それは、天から授かった天命を知り、自分の意思で自分の命を運んでいくことです。
健司はこの時、まさに天から授かった公式こそが自分の天命と知り、
その先の道が見えるようになったのです。

 

幼い頃から人とは違った自分。
見えないチカラで苦しんだこともあった自分。

 

けれども、この時、自分が何者であるかを悟ったことによって、
健司は生かされ、救われました。
そしてその先の人生で数え切れない人々の人生に光を照らし、
名付けという、
人生で最初の贈り物を授けることによって多くの人々の命を救うことになるのです。

 

こうして、姓名判断士・横山健司の伝説が始まりました。

※横山健司は仮名です。

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