2020年頃、四柱推命鑑定をしていたところお客様よりこんな事を聞きました。
「丁丑日生まれで潤下水で最悪と他の占い師に言われたのですが、どうなんでしょう?」
なるほど・・・
この記事では潤下水とは何なのか?本当に丁丑日生まれは最悪なのかについて解説していきたいと思います。
この記事を書いた人:飛鳥宗佑(あすかそうすけ)
10年四柱推命に携わっています。鑑定した命式は200件を超えます。もっと沢山の命式を鑑定し技術を高め、依頼者様へ精度の高い結果を還元していきたいと考えています。
飛鳥宗佑の命式
年柱:辛酉
月柱:庚子 (癸)
日柱:乙亥
時柱:庚辰
潤下水とは?
私の四柱推命では「潤下水」というのは使わないので、何のか詳しく分かりませんが検索するとこんな感じで出てきます。
丙子(ひのえね)
丁丑(ひのとうし)
要は、水の上に火がある状態のことを潤下水という様です。
丙とは、十干の3番目にあたるもので、火の五行です。丙は、太陽を表します。一方子は、十二支の一番最初の干支で水の五行を持ちます。水の上に火があるので良くないみたいですね。
同様に丁とは、十干の4番目にあたるもので、火の五行です。丁はロウソクの火を表します。一方丑は、2番目の干支で水の五行を持ちます。これも水の上に火があるので良くないみたいですね。
潤下水の意味
潤下水の意味としては、
物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸
だそうです。あんまり良い意味ではないですね・・・
ただこれは納音占いなどで使われるようで、四柱推命ではあまり1つの柱だけを切り取って運勢を診ないんですね。例えば、丁丑の日生まれの場合、その隣の柱(月柱、時柱)には何があるのか?強いのか弱いのかなので判断するので、私の行う四柱推命鑑定とはだいぶ違います。
四柱推命では丁丑の日生まれ・丙子の日生まれの場合こう診る
四柱推命鑑定の場合、例えば「丁丑年生まれだからあなたはこういう性格」とか、「日干が丁だからこういう運勢」のように、どこか1つだけを切り取って命式の良し悪しや運勢を語る事はまずありません。必ず、五行の強弱をみて、年干が月干にどんな作用をしているのか?時干が日干にどんな働きをしているのか?を診ます。働きとは、強めているのか弱めているのか?です。
丁丑の日生まれの命式例①
例えばこんな命式
年柱:丁巳
月柱:乙巳 (丙)
日柱:丁丑
時柱:乙巳
丁丑の日の生まれの命式です。
先ほどの「潤下水」とおり診るのなら「物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸」でしょうが、月柱と時柱にある乙に丁は両脇から挟まれているので、良い並びの命式です。
また、乙と丁は喜びの神と書いて「喜神」といいまして、とても良い働きをしています。乙は、喜神偏印で丁が燃えるのを助けています。丁も喜神比肩で、財運・実行力があるので、フリーの仕事や会社経営にも向いています。
五行も、モッカドコンスイ全て揃っているので、体質は問題なく健康そうに診えます。なので、丁丑の日生まれの命式ですが、「物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸」は全くあてはまらない命式です。
丁丑の日生まれの命式例②
もう一つ命式の例を見てみましょう。
年柱:庚戌
月柱:壬午 (丁)
日柱:丁丑
時柱:乙巳
こちらも丁丑の日生まれの命式です。マニアック四柱推命なんかだと、火の五行が大過と出てくるでしょう。また、比肩が強いので「我儘」とか「財を失う」と表示する四柱推命サイトもありそうです。
では、この命式も「物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸」なのか?
物事が続くかどうかは、官星の働きを診ます。官星が適度に強く、比肩を抑えていれば「コツコツと物事に集中する能力」はあると診ます。しかも、この命式は正官が喜神なので真面目で努力家という診方もできます。
次に財運はどうなのか?財運を診るには財星を診ますが、年干に喜神正財がありますので、財運も良好とみます。
なので、この命式に「物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸」というのは当てはまらないというのが私の見解です。
丁丑の日生まれの命式例③
ただし、この様な丁丑の日生まれの命式は要注意です。
年柱:庚申
月柱:甲申 (庚)
日柱:丁丑
時柱:乙巳
正財が非常に強い命式ですが、時干に喜神偏印がいるので身弱の従格にはならない身弱の内格の命式です。
少し話はズレまして、身弱の内格だから悪い命式と決めつけている方をたまに見かけますが、そうではありません。
干関係や忌神の強さを考慮して「厳しい命式」の様に、総合的に判断するのが正しい診方です。
身弱の内格でも良い命式はありますので、「身弱の内格だから体質が弱い」とか「運勢が弱い」ではないので勘違いしないようお気を付けください。
話を戻しまして、この命式の場合は、財星が非常に強く忌神なのでやや厳しい命式と言わざるを得ません。正財が忌神で非常に強いので、お金にルーズだったり散財傾向も出ます。
なので、この様な命式だと「物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸」となりそうです。
忌神財星が弱まる時期にきちんとした金銭感覚を身に着けるのが良いでしょう。
丙子の日生まれの命式例①
今度は、丙子の日の生まれの命式を診てみます。
年柱:戊子
月柱:辛酉 (辛)
日柱:丙子
時柱:己亥
一番強い通変星は、辛の正財ですね。日干は弱く、己と辛に弱められているので、身弱の従格と判断でき、辛の正財は喜神、己の傷官も喜神の命式です。
なので、財運があり年干には喜神正財を強める喜神食神もあるので、少しマイペースなところはありますが、財運はあると診ます。
この命式も、日柱だけ切り取れば潤下水となりますが、月干と時干も喜神で、強い喜神正財があるので「物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸」はあてはならない命式です。
丙子の日生まれの命式例②
もう一つ、丙子の日の生まれの命式を診てみます。
年柱:庚戌
月柱:壬午 (丁)
日柱:丙子
時柱:癸巳
一番強い強い通変星は、比肩の命式です。比肩は忌神なので、わがままという判断をする四柱推命師もいると思いますが、きっちり月干の喜神偏官、時干の喜神正官に抑えられているので、良い命式です。
月干と時干が喜神なので、「孤独」というワードも遠い命式です。年干には喜神偏財もあるので、財運も良好です。
この命式も丙子の日の生まれで潤下水ですが「物事が続かなく、たとえ金はあっても孤独で不幸」は当てはまらない命式です。
最後に
丁丑の日生まれの命式を3つ、丙子生まれの命式を2つ取り上げてみましたが如何でしょうか?丁丑生まれの日or丙子の日生まれでも、ちゃんと診れば良い命式があると言う事がお分かり頂けたと思います。
ネットに散らばる四柱推命サイトは精度が低いものが多いです。私から見て「正確な四柱推命にたどり着けない」という現状もあります。
例を挙げれば、四柱推命と言いながら、生まれた時間を使わない三柱推命とか、生まれた時間を何分まで正確に記入しないサイトとか・・・
もしこの記事を読んで「飛鳥さんは四柱推命に詳しそうだから一度診てもらいたい」とか「ちゃんとした運勢を知りたい」という方は鑑定致しますので、一度生年月日を診させて下さい。
精度の高い正確な運勢をお知らせ致します。四柱推命鑑定申し込み
また、四柱推命を自分で覚えて診れるようになりたいという方は、四柱推命講座もありますので宜しければご覧ください。
経験者でも初学者でもしっかり学べる四柱推命講座 (uranaiya-hoshizora.com)
更新情報
2022/2/4:丁丑の日生まれの命式例③の章の誤字訂正
2022/5/17:丁丑の日生まれの命式例②の章の誤字訂正。
2024/7/3:四柱推命講座のリンクを追加